猿の手帳

ハクが、裏庭のドッグスペースを囲ってある網のところで、しつこくしつこくしつこく、狂おしく吠えていた。凛太郎は後方支援で裏庭に続くスロープで吠えている。


伊賀在住の頃は、猿を見たら、凛太郎を小脇に抱え、母ちゃんは猿に迫る勢いで走り「こらー!」と叫び、小脇に抱えられた凛太郎は声を限りに吠え、気合勝ちで、猿を追い払っていた(伊賀の猿はオンナ子どもを侮り、少々のことでは逃げない)。


ハクは猿を感知面部護理したらしい。木がユサユサ揺れている。木に登ったようだ。


「お利口やな~、見張ってくれてるんやなー」と裏庭に出てみて、何気に小さな小さな菜園を見たら、やっと実のできていたトマトの青い実が落ちていた。


拾って見たら、囓ってある!


おのれサルめ!


このあたりには、はぐれ猿が1匹いる。群れから追い出されたのか、出てきたのかは不明だが、日々あちこちを荒らしている。


我が家はワンコが脱走しないようにドッグスペースを鳥獣防護網で囲ってあるから、猿にしたら「囲ってあるところには何か食べるものがある」と学習しているのだろう。


私は最初、菜園を作るつもりはなかった。ドッグスペースの裏庭には、ちょこっと料理に使えそうなセイジ、バジル、イタリアンパセリ、クレソンだけを植えた。ローズマリー、タイム類は玄関までのアプローチに植え、恐ろしいほど増えるミント類は鉢植えにしている。それらのハーブの香りが好きなのと、ハーブだとほとんど虫がつかないという手軽さからだ。


それだけで終わる予定だったが、福島原発の影響で野菜が高くなるとかネットで読んだものだから、トマト、ナス、ピーマン、甘長唐辛子、パセリ、青ジソを一株ずつ植え、いただきもののバジルを植えた。


最初に買ったバジルはハクに踏みつけられて命が終わった。今はセイジの横に穴を掘るのが気に入ったようで、いつも穴を掘潔面る。庭の方もイチゴミルクの横に穴を掘っている。ニオイと関係あるのだろうか?どちらもセイジ。


さて、小さな菜園には話を戻そう。


そのうち猿が来るかもしれないなとは思っていたが、去年までは林だったのだから、きっと1年くらいは気がつかないのではと安易に考えていたが、予想よりもはるかに早く来た。1度来たら、もう猿の手帳に記入されたと考えて間違いない。これは伊賀で学んだこと。次なる襲撃に備えて、何か手を打ったほうがいいかもしれないが、小さな小さな菜園を大げさに囲う作業もなんだかなー。横も上も囲って、檻の中の菜園にしないかぎり猿の襲撃から免れることはできない。あるいは、しなる竹にネットをかけて猿が登れないようにするか。


安い鈴でも買ってきて、防護網を登ろうとしたら音が出るようにしてみようか。鳴り物の方が私の趣味には合っている。


趣味には合っているが、周囲約網上課程30mとなると、会計が・・・。やはり竹に網か。財布と相談しながらの検討課題ができてしまった。


そのうちアイデアが閃くかも。